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村上実帆| Miho Murakamiのアートをご紹介・・・今里美紀子(能勢)

表参道ヒルズのリニューアル・オープンからのヴィジュアル・ウォール、オープン初のキーダさんの絵画の次、4/23(土)からの展示は、村上実帆さん。コラージュ(切り貼り)と描画によるグラフィック・アートを通して独特の世界観を作り上げている村上実帆さんのことを、今回ご紹介したいと思います。

村上実帆さんのコラージュで特筆すべきと思うのは、モチーフの動物に、人間の目の写真を使う手法が作品に得体の知れぬインパクトをもたらしていること。幼少期に母親から観せられたという監督ルイス・ブニュエルと画家サルバドール・ダリが製作の、フランス映画『アンダルシアの犬』に出てくる、目に対しての強烈なシーンから、彼女が受け取ったものは大きそうだ。大学時代に観たという、セルゲイ・パラジャーノフ監督作品の『ざくろの色』からも、大きな影響を受けたと本人が語っている。また、印象的だったのは、「幼少期に描いたものです」と、特別見せてもらった、蜂たちの絵。それは例えば、女王蜂とか、一つの役割が中心ではなく、蜜か水を与えるもの、与えられるもの、それを見て笑うものや様々な立場がどれも主体のように見える世界。幼少期から日本画家であり天井画の絵師であった祖父の影響か、ポリフォニー(多声音楽)とかアミニズム的な感性がそこにある感触が、現在の作品に通ずるものを感じた。すでにこの頃より、現実と非現実をまたにかけ、独特の世界観を作り上げていたことが窺える。

作品は、クールなデザインのようで、緻密な描きこみや、プリントに選ぶ紙の素材へのこだわりなど、繊細な神経が”ダイナミック”に変換されている。

村上実帆| Miho Murakamiのアートをご紹介

日常的でない、野生動物や爬虫類などのモチーフをわざと選ぶのは、イマジネーションを(妄想的に?)拡げたいから、と言われたことが、彼女と対話していて、キャラクターに感じられ、とても腑に落ちた。自由な発想のビビッド色から、モチーフがエネルギッシュなセクシーさを放っていて、しなやかな強さのイメージを大きく感じる。いろんなコントラストが観る者を惹き付けてくれる。

そんな彼女の世界観が表参道Spätzle Cafe&Wineで味わえます。今回のテーマはドイツ語の「Odem」、生命そのものが放つ息吹の意を選んでいただきました。音楽のコラボレーションの指向性もあるアーティストさんなので、この機会に村上さんの作品に触れて、”息吹“を感じてみてはいかがでしょうか。

Spätzle Cafe&Wine
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ本館B3F
TEL:03-5775-1941
11:00~23:00(LO 22:30)
日曜11:00~22:30(LO 21:30)
定休日:無休

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